ATEM Mini ProでSwitchとPS5のゲーム配信をするための機材を解説
ここが知りたい
ATEM Mini Proでゲーム配信するために必要な機材は?
ATEM Mini ProとSwitch、PS5の接続図が見たい
ここでは、 ATEM Mini Proを使ったゲーム配信を考えている方に向けて 「ATEM Mini Proでゲーム配信をするときに必要な機材」を解説します。
「ATEM Mini Proとゲーム機のほかに何が必要?」 「機材の配線図は?」 「ATEM Mini Proを使うとどのようなメリットがある?」 このような疑問を取り上げて、 図を使いながらできるだけわかりやすく説明します。
あなたのゲーム配信のお手伝いができれば幸いです。
目次
ATEM Mini Proは【ライブ配信】に最適
ATEM Mini Proはスイッチャーという配信機材です。 スイッチャーとは、 入力されている複数の映像と音声を選択して切り替えるための機材です。
例えば、カメラを3台接続している場合に 配信したいカメラの映像をボタンを使って選択して切り替えます。 テレビやインターネット配信で カメラの映像を切り替えためにスイッチャーが使われています。
さて、 ATEM Mini Proはライブ配信機能のほかに録画機能も有しています。 しかし、どちらかというとATEM Mini Proはライブ配信に向いています。
理由としては、 「ATEM Mini Proはライブ配信を基準にしたシステム構成になっているから」 です。
例えば、 画面録画機能はパソコンに直接保存できません。 投稿配信のために画面録画をしたい場合は、 ATEM Mini ProにSSDを接続して、そのSSDに映像を保存します。 録画後、SSDをパソコンに接続しなおしてデータを移します。 長時間動画だと移行時間もそこそこかかります。
このようなひと手間が入るので、 投稿配信をメインにやっている場合は 少し不便さを感じてしまうこともあります。
また、ボタン操作による映像の切り替えも ライブ配信を想定した設計になっています。 録画であれば、あとで動画編集ソフトで編集したほうがミスも少なくなります。
また、制御ソフトであるATEM Software Controlも ライブ配信を想定したインターフェースになっています。 YouTube、Twitch、facebookライブに接続するための機能は充実していますが、 録画向けの機能はあまりありません。
このように、 ATEM Mini Proは基本的にはストリーミングによるライブ配信を基準にした機能で構成されています。 このことから、私個人的にはATEM Mini Proは ライブ配信に適している機材だと感じています。
ATEM Mini Proのゲーム配信で必要な機材
ATEM Mini Proを使ったゲーム配信で、 必要になる機材はつぎのとおりです。
- ATEM Mini Pro
- ゲーム機【Switch、PS5】
- パソコン
- スイッチングハブ
- モニター
- マイク
- ヘッドホン・イヤホン
- 配信ソフト【ATEM Software Control】
- 配信プラットフォーム
- SSD(投稿配信の場合)
- 動画編集ソフト(投稿配信の場合)
- カメラ(顔出しの場合)
ATEM Mini Proは音声と映像を統合する役割があります。 マイク、カメラ、ゲーム画面といった映像と音声をひとつにまとめて、 配信できる状態にしてくれます。
パソコンは配信をするための役割です。 ATEM Mini Proから送られてくる映像と音声を ATEM Software Controlを使って YouTubeやTwitchといった配信プラットフォームに配信します。
ATEM Mini Proとパソコンはスイッチングハブを経由してLANケーブルで接続します。 ネットワーク通信で映像データを受け取ってからATEM Software Controlで配信します。
ATEM Software Controlは、 ATEM Mini Pro販売元のBlackmagic Designのサポートページよりダウンロードできます。
モニターはSwitch、PS5のゲーム画面を表示するために使います。 実況者はモニター画面を見ながらプレイをします。
ヘッドホン・イヤホンはゲーム音を聞くために使います。 一般のゲームのようにゲーム機からは音を出しません。 これはマイクにゲーム音が入ってしまい二重の音になることを防ぐためです。
投稿配信の場合は、録画をするためにSSDが必要です。 ATEM Mini ProでSSDに映像と音声を収録します。
収録した映像は、動画編集ソフトを使って編集します。
顔出し配信をする場合はカメラが必要です。 一般的なUSB接続の安価なWEBカメラは使えず、 HDMI出力があるデジタルカメラが必要です。
ATEM Mini ProにはUSB端子の入力がないため、 カメラはHDMI出力が必要になります。
ATEM Mini Proと2台のパソコンを使った「PCゲーム」の配信方法についても 別のページで紹介しています。 もし、あなたがPCゲームも視野に入れているならば、 こちらも合わせてご覧ください。
Switch・PS5とATEM Mini Proの接続例【配線図】
ATEM Mini Proを使ったゲーム配信をする場合の 機材接続例は次のとおりです。
ATEM Mini Proを中心にゲーム機、パソコン、モニター、マイク、カメラを接続します。
ゲーム機はSwitch、PS5のどちらも同じシステム構成になります。 ATEM Mini Proとの接続方法も同じです。
モニターはゲーム画面を表示します。 実況者がゲームプレイをするためのモニターです。 ATEM Mini Proに接続してゲーム画面を表示します。 ゲーム画面表示の遅延は、ほぼありません。
マイクもATEM Mini Proに接続します。 ATEM Mini Proの音声入力端子はステレオミニジャックです。 マイクも同じ端子の製品を選びます。 USB接続のマイクは使用しません。
ヘッドホン、イヤホンはゲーム音を聞くために装着します。 ATEM Mini Proにはヘッドホン端子がないため、 モニターに接続します。モニターから出力される音を聞きながら実況プレイをします。
カメラはATEM Mini ProのHDMI入力端子に接続します。 HDMI出力があるカメラが必要です。
パソコンは配信のために使用します。 ATEM Mini Proで映像と音を集約したデータをパソコンで受け取ります。 パソコンにはATEM Software Controlをインストールしておきます。 ATEM Software Controlの機能を使ってYouTubeやTwitchといった 配信プラットフォームに接続してライブ配信をします。
映像を録画したい場合は、SSDをATEM Mini Proに接続します。 録画とライブ配信を同時にできます。
投稿配信の場合は録画した映像を動画編集ソフトを使って編集します。
ATEM Mini Proを使うメリットとデメリット
ATEM Mini Proをゲーム配信で使う メリットとデメリットについて説明します。
デメリット
- 価格が高い
- ヘッドホン端子がない
- 録画がストレージ記録のみ
ATEMI Mini Pro導入の最大のデメリットと言っていいのが「価格」です。
輸入品のため価格が多少変動しますが、 Amazonや楽天で購入すると5万円弱します。
価格に対しての機能が優れているのでコスパはかなり良いのですが、 それでもパソコンに次ぐ高価な機材です。 個人で購入するにはハードルが高いのは間違いありません。
仕様面だとヘッドホン端子がないこともデメリットです。 音の遅延を無くすには、モニターからゲーム音を拾うしかありません。
じっさいに配信をしてみて気づきますが、 イヤホンはATEMI Mini Proを挟んでモニターに有線接続することが多いため、 けっこう邪魔に感じることが多いです。 慣れないと線がマイクにあたってノイズになることもありました。
ライブ配信をメインに考えている機材のため、 録画映像はSSDにしか保存できません。 パソコンに直接収録できる仕組みがないため、収録終わりにデータ移行が必要です。
ゲーム実況配信はけっこう長時間になることがあるので、 データ移行もそこそこ時間がかかります。
続いてメリットです。
メリット
- パソコン負荷が減る
- 配信がボタン操作でできる
- 録画とライブ配信が同時にできる
ATEMI Mini Proを導入する最大のメリットは 「パソコンの負荷を減らせること」です。
ATEMI Mini Pro内部で複数の映像と音声を瞬時に統合して、 遅延を少なく配信できるのはとても重宝します。 配信ソフトのOSB Studioを使うよりも高速に色々できるので、とても便利さを感じます。
ゲーム配信ではキャプチャーボードを使う方法が一般的ですが、 ATEMI Mini Proはキャプチャーボードの機能を有しているので必要ありません。
例えば、キャプチャーボードには ゲーム画面を遅延なくモニターに表示する「パススルー機能」がありますが、 ATEMI Mini Proも遅延なくモニター出力する機能があります。
仕様面だと配信のスタートとストップをボタン操作でできるのがとても便利です。 使っている機能のボタンが赤くなり、 色分けで操作状況がわかるのでミスも少なくなります。
パソコンで操作するのと変わらないと思うかもしれませんが、 使ってみると意外に便利です。 配信の専用機材はこのような利便性がメリットだと感じています。
ATEMI Mini Proはライブ配信向けの機材ですが、 同時にSSDへ録画する機能も付いています。 正直、パソコンに直接録画できないのは不便ですが、 それを補う機能としてSSD録画があるのは助かっています。
マイクが二本使えて二人実況のときに便利
限定的なメリットになりますが、 二人でゲーム実況をするときにATEMI Mini Proが重宝します。
ATEMI Mini Proには2チャンネルのマイク端子が付いているので、 二本のマイクを同時に使うことができます。
一般的にゲーム配信で複数本マイクを使う場合は、 音声ミキサーを使う必要があります。
しかし、ATEMI Mini Proは二本までマイクを接続できるので 別途、音声ミキサーを用意する必要がありません。
もし、あなたが二人でのゲーム実況を検討しているならば、 ATEMI Mini Proはおすすめです。
まとめ
「ATEM MiniProでゲーム配信する機材【Switch・PS5】」 についてのまとめです。
ATEM Mini Proは録画もできるが、 ライブ配信により適している機材。
ATEM Mini Proを使ったゲーム配信で必要な機材は次のとおり。 ゲーム機本体、パソコン、モニター、マイク、ヘッドホン・イヤホン、 スイッチングハブ、配信プラットフォーム、SSD、カメラ(顔出しの場合)。
ATEM Mini Proを使うメリットは、 「パソコン負荷が減る」 「配信がボタン操作でできる」「録画とライブ配信が同時にできる」 がある。
デメリットは 「価格が高い」「ヘッドホン端子がない」 「録画がストレージ記録のみ」がある。
マイク端子が2つ付いているので 2本のマイクを同時に使える。 そのため、2人実況が簡単にできる。